私たち人間のからだは、環境に応じて進化を遂げ、さまざまな機能を備えてきました。その一つとして報告されているのが、生命の危機を感じるような強いストレスから身を守るための適応システムです。それは、一時的に免疫機能を抑制しながら、運動能力などを高める副腎皮質ホルモンやアドレナリンを優先的に放出するもので、外敵から身を守る必要があった時代には効果を発揮していました。しかし、現代社会には、物理的に運動能力を必要とするストレスの原因はなくなりましたが、精神的なストレスが長く続く環境が生まれています。そのため、本来は人間の味方だった適応システムが働き続けることで、免疫機能の低下をもたらす状況を生み出している、と言われています。
一方、免疫機能はガン予防に大きな役割を担っていることが、最近の研究でわかってきました。1日のうち突然変異を起こしてガン化する恐れのある細胞は、約3000〜6000個。私たちのからだの中では、1日約1兆個もの細胞が毎日生まれ変わっているそうですから、ガンになる確率は低いとは言えません。しかし、その確率より実際にガンになる人が少ないことから、研究者たちはガン細胞を攻撃する免疫細胞の働きに注目。ガンになるのは、免疫の監視を逃れたガン細胞が増殖するためで、どの免疫細胞がどうガンを退治しているのかという研究結果も明らかにされています。また、免疫機能低下の原因としては、老化と持続的なストレスが報告されています。
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